ハイキュー!!45巻

 

本誌連載終了の直前という謎すぎるタイミングではまったけれど、出会えて良かったと心から思う

春高予選までは、高校生らしさの詰まっためちゃくちゃ熱い部活ものとして読んでいた
いざ春高に突入すると、選手達のあまりの覚悟の決まり様にこれは青春の一言でまとめられる物語では無く、人生をバレーボールに懸ける特別な人達の高校時代を覗かせて貰っている時間なのだと思った
でも、Vリーグ編ではVリーグに進んだ人バレーを辞めた人、様々な人生が等しく描かれていて、これは高校バレーで繋がった全ての人たちにまつわる人生の話なんだと再度認識を改めた

そして、45巻
人生という感想はそのままに、あまりにもその先の未来が広がる最終巻で、42巻までは長い長いプロローグでここからが本編、ラスト3巻ですらほんの序章なのだと錯覚してしまう程だった
物語としてはエピローグに当たるお祭りみたいな部分のはずなのに、完璧な終わり方であるのに、ここでは何も終わっていない

君たちの何もここで終わらない
これからもなんだってできる

全国大会準々決勝で敗れた部員達に顧問がかけた言葉をこんなにも鮮やかに証明してくれる終章があるのだろうか

漫画やアニメ、エンタメに限らず、世の中の殆どの事象はその背景を知っているかどうかで見え方が大きく変わってくる
そしてハイキューはとにかく丁寧に描写を重ね、積み上げてきた作品だからそんな場面の連続だ

大きなマスでコートの横幅めいっぱいに走る日向、の隣に描かれた、少し左に目を向けて小さく-くそ と呟く影山

気持ちに技術が追いついていなかった頃の日向、エースへの憧れと囮の間で揺れていた日向、囮を受け入れた日向、とうとう自分で自分を囮にし始めた日向、そして出会った頃は下手くそと罵倒ばかりしていた日向に全力で挑む影山
私たちはこの細長い一コマにいくらでも想いを馳せられる
最高だ

あ〜〜でもいくら人生が続いていくとしてもやっぱり高校時代は特別だ!!
日本代表2人が赤点を避けるために肩を並べて必死に勉強していたことも、イタリアセリエAで活躍する選手のサインを考えたのが宮城の小学校教師なのも、主将に買ってもらった肉まんを食べながら一緒に帰ったあの時間も、全部全部高校の部活という枠組みが可能にした奇跡!

 

 


バレーボールは面白い
そして紙とペンだけでこんなにも感動と熱さをくれる漫画はやっぱり最高だ
最初から最後まで本当に本当に面白いハイキューがそれを証明してくれた
ありがとう!